ケミカルエンジニアのTips&Note

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【資格】高圧ガス製造保安責任者 甲種化学 合格体験記【勉強法、難易度、問題集】

こんにちは。

今回は高圧ガス製造保安責任者 甲種化学の資格試験についての勉強法を中心に解説していきたいと思います。

高圧ガスの資格試験は毎年11月にあるので、今年受験を計画している方は、勉強をすでにやっている、もしくは勉強を開始しようとしているのではないでしょうか。
そういった方に、少しでも参考になればと思い、私が受験した際の合格体験記を書きました。良かったら読んでください。

 

 

 

高圧ガス製造保安責任者とは

高圧ガスとはガスに高い圧力をかけて圧縮、もしくは液化させたものを指します。

圧力が高いことや、ガスの中には可燃性や毒性を持つものもあるため、適切な方法で安全に取り扱う必要があります。
そのためには取り扱う側は十分な知識と技術をもっていなければなりません。

高圧ガス製造保安責任者はそれらを習得し、高圧ガスを安全に取り扱うことができることを証明する資格だとも言えます。

実務的には、一定規模の高圧ガスを取り扱う事業所は有資格者(法定責任者)を置く必要があります。
ですので、会社は有資格者確保のためにエンジニアや運転員に資格受験を推奨しており(指示に近いと思いますが)、受験することになった方も多いのではと思います。

私の場合も、将来的に管理職になった場合、法定責任者になる可能性がかなりあるため、受験しました。

高圧ガス製造保安責任者の資格には様々な種類がありますが、中でも甲種はどのような法定責任者もなれる(事業所の規模、法定責任者の種類に制約なし)、最も難易度の高い資格です。

また、甲種には機械と化学の二種類があります。
両者の合格率は同程度で、難易度も変わらないと思いますので、大学時代の専攻や業務で慣れている方を選択すればよいと思います。
私は大学の専攻が化学系だったので、化学を選択しました。

以上、高圧ガスの資格についてざっくりと説明しましたが、もっと詳細を知りたい方は以下に参考となるリンクを貼っておきますので、そちらを参照してください。

(参考リンク)
・高圧ガスの定義

高圧ガス保安法 - Wikipedia

・各資格がなることができる法定責任者

国家資格の概要及び職務範囲 | 高圧ガス保安協会

高圧ガス製造保安責任者 - Wikipedia


資格取得への2つのルートと難易度

高圧ガス製造保安責任者 甲種化学の資格取得には2つのルートがあります。

高圧ガスの試験は学識・保安技術・法令の三科目がありますが、学識・保安技術の受験方法がルートによって異なります。

① 国家試験三科目
11月に行われる国家試験で学識・保安管理技術・法令の三科目すべてに合格する。(正答率60%以上)合格率は10~15%。

② 講習・検定二科目 + 国家試験一科目
毎年5月頃行われる高圧ガス保安協会主催の3日間の講習を受講。
6月に学識・保安管理技術の検定試験を受験し合格。(正答率60%以上)
11月に行われる国家試験で法令のみを受験し合格。(正答率60%以上)
検定合格者の法令の国家試験合格率は90%。

会社が許可してくれるのであれば、次の理由から難易度がかなり下がる②をお勧めします。
・講習で検定の出題ポイントを教えてくれる。
・検定の方が国家試験より試験の難易度が少し低い。
・勉強の負荷が分散される。

私は、講習会時期と仕事が忙しい時期とが重なっていたことと上司の方針で、①で受験しましたが、講習・検定を利用していた同期や同僚が正直うらやましかったです。
3日間も業務時間中に勉強できることになりますしね。

あと、補足ですが、エネ管や公害防止にあるような科目合格はないので、一年で三科目すべてに合格する必要があります。

 

勉強方法

勉強時間

私は11月の試験の3か月前から本格的に勉強を開始しました。
勉強時間は平均1時間/日、トータル約100時間です。
私の場合は業務で使用していた知識が結構あったので、この程度の時間ですみましたが、出題分野にあまりなじみがない方はもう少し時間が必要かもしれません。

使用した教材【教科書、問題集、参考書】

高圧ガス甲種関連の書籍は町の書店やAmazonでは手に入りませんので、高圧ガス保安協会(KHK)、もしくはセーフティマネジメントサービス(株)(KHK関連会社)で購入するしかないです。下記にリンクを貼っておきます。

講習・試験対策 | 高圧ガス保安協会

図書のご購入 | SMS(セーフティ・マネージメント・サービス株式会社)



私が使用した教材は次の4冊です。

・高圧ガス製造保安責任者 甲種化学・機械 試験問題集
5年分の過去問が掲載されている問題集。解説は簡素ですが、他に過去問集はないので、これを使用するしかないです。

・高圧ガス保安技術
学識と保安管理技術の教科書。結構大きくて、電話帳くらいの分厚さがあります。

・よくわかる計算問題の解き方 -高圧ガス甲種資格者への近道
学識の問題集。分野別に頻出項目をまとめてくれていて、問題の解説も丁寧。

・高圧ガス保安法令テキスト
法令の教科書。法令の重要部分をまとめたパワーポイントのスライドを印刷した本。おそらく講習の法令の講義で使用しているスライドだと思われる。


問題形式

高圧ガスの試験問題の形式は、学識は記述式、保安管理技術と法令は選択式です。学識の記述式というのが、けっこうやっかいです。まっさらな紙に一から回答を書かないといけないので、かなりの理解度を要求されます。

勉強法

過去問のみで良いといっても過言ではないくらい、過去問が大事です。
何周も解いて、5年分の過去問全て理解して正解できるレベルにもっていけば、ほぼ間違いなく合格できます。
ただし、この理解するというのが大変です。
なんせ、過去問の解説がかなり簡素で、それを読んだだけでは到底理解できません。
ですので、私は過去問をベースに各科目、次のような方法で補って理解を深めていきました。

学識

過去問だけではわからないところは、「よくわかる計算問題の解き方」で再度別の問題を解き、その解説を理解するということをやっていました。
こちらの本は解説が丁寧で、私の場合はこれですべて理解できました。
また、問題が分野別になっているので、苦手分野については周辺の問題を解いて、穴がないようにしてきました。
また、毎年ガスの特徴を問う問題が必ず出題されていますが、国家試験・検定の過去10年分の出題されたガスの性状、製造方法、用途を丸暗記しました。

保安管理技術

過去問だけではわからないところは、「高圧ガス保安技術」の該当箇所を理解できるまで読みました。
ぶ厚い教科書ということもあり、解説は丁寧ですので、私はこの本で理解できなかった問題はありませんでした。

法令

暗記科目なので、直前の2週間までは何もやりませんでした。
試験の2週間前から「高圧ガス保安法令テキスト」を見ながら、過去問を2周やりました。
法令は覚えるしかないのですが、覚えるためには過去問を最低2周はやる必要があるかと思います。

 

さいごに

個人的に資格試験の勉強は、単にやるかやらないかだと思っています。
やらなかったら当然落ちます。

働きながらだから勉強時間がないという人もいるかもしれませんが、やろうと思えば3か月くらいの間であれば1~2時間/日は必ず作り出すことができます。
(例えば、朝早く起きる、会社の昼休み、仕事終了後など。)

この記事では勉強法を中心に描きましたが、怠けようとする自分に負けずに勉強することが、一番の合格への近道だと思います。ただやるのみです。
(今年、公害防止管理者を受験する自分へのメッセージでもあります。がんばろうっと。)